由紀夫が薔薇の館に帰宅した。「おかえりなさいませ」メイドが頭を下げる。
そのメイドにカバンを渡し、「ああ、ただいま。今日はとても疲れているんだ。
部屋でゆっくり休みたい。誰も近づけないように・・・・。」
「わかりました。」螺旋階段を上り二階の自室に入った由紀夫はため息をついた。
党内が騒がしい。自分を支持してくれる若手とともに戦わなければならない相手がいる。
しかもそれは他の政党ではなく自党の支持団体だ。憂鬱だ。
「やりきれないよ」そうつぶやきながらパジャマとガウンに着替えた由紀夫は
机の引出しから一枚のCDを取り出しプレーヤーにセットした。
ゆっくりとソファーに腰掛け曲を聴く。大きな瞳から、涙が自然と零れ落ちる。
懐かしいエルビスの声。流れる曲は Can't Help Falling Love ・・・・。
共に手を組み前に進める事が出来たら、どんなに幸せだろう。
もちろん、由紀夫の頭の中には優しく微笑んでいる彼がいた。


午後1時55分、公邸から官邸へ。同56分、執務室へ。同2時3分から同31分まで、黒柳徹子国連児童基金(ユニセフ)親善大使の表敬。

(純ちゃん、黒柳さんとどんなお話したんだろう・・・・・)

ひとり窓ぎわで佇むぽっぽなのであった。

純ちゃん!
そんな顔してボクを見ないで・・・
“あの頃”と同じ笑顔でボクを見ないで・・・
まるでなんにも無かったみたいに・・・
ずるいや、純ちゃん・・・
だってボクは、
ボクは・・・もう“あの頃”のボクじゃないんだよ!

純ちゃんが昔そうしたように、
ボクもココで生きる道を選んだんだ。
そのためならボクは何を失ったって構わない。
そう決心したんだ。
でも、でも、純ちゃんの笑顔を見ると・・・

ぽっぽの心はいつの間にか“あの頃”に駆け戻っていった。
二人が同じ夢を見ていた“あの頃”へと・・・

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