「晋・・・・」
そう口に出してしまってから、純一郎は気付いた。
(そうか・・・そうだったな。今度の旅は晋はいないんだった・・・)
(夜が・・・辛いな。晋は俺にとってライナスの毛布だ。)
後ろの席から飯島がひょっこりと顔を出した。
「私がいますって。」
純一郎の心が手に取るようにわかる飯島だった。
純一郎はしげしげと飯島の顔を眺めた。
そして固く目をつむった。
(飯島君、君じゃだめだ。晋じゃなきゃ萌えない・・・)
殿ったら・・・照れ屋さんなんだからー。
たまには気持ちを読み間違えることもある飯島なのであった。

全て終えW・Hに足早に帰宅する
今朝自分宛て日本米国大使館から小包みが届いた
中を見たかったが数分刻みの日程には余裕が無く仕方なしに夜までの楽しみなってしまった
中身はわかっていたがどうも気持ちが上がってしまいうまく包みが開けられない
なんとか包み開けると一本のビデオテープと少し厚みのある封筒が入っていた
ビデオテープをデッキにセットし再生ボタン押す
画面から音楽が流れ一人の男が写る何を言っているのかわからないが関係無いので早送りのボタンを押す
数秒後小柄な日本人が写る
「ジュンイチロウ・・・・・・・・・」ため息が漏れる
画面の中ではジュンイチロウと数人の男と女が言い争っている
日本語はわからないがジュンイチロウの声は心地よい、しかしジュンイチロウほかに人がいるのエイリアンに似た男にしか話さない
ブッシュは電話をとり短縮ボタンを押し「私だ。調べてもらいたい男がいる。日本から送って貰ったビデオに写っている赤ネクタイのエイリアン顔の男だ」
口早にいい電話を切る
一緒に入っていた封筒の中身を見る。どうやら街頭演説の写真らしい
「ジュンイチロウ本当にかわいいよ・・・」
いやらしく顔がにやける
ブッシュはすでに「赤いネクタイのエイリアン顔の男」の存在を忘れていた


客船泊まり、か・・・
純一郎は苦笑した。
こういうのも一興、と言えばそうだが、
彼も日本の首相である。ジェノバには泊まれるようなホテルは
なかったのだろうか?
「ま、いいじゃないですか、首相」
と、秘書官の飯島が言う。
「タイタニックみたいで。・・・おっと失礼、沈まれては困りますな」
「大いに困る。----と言ってもこの陽気だと、氷山も嵐も来そうにないが」
(タイタニック、か----)
数年前に見た映画を思い出す。
(俺が沈んでも、忘れないでくれよ。ぽっぽ・・・)


(俺が沈んでも、忘れないでくれよ。ぽっぽ・・・)
一瞬、純一郎の囁くような声が聞こえたような気がした。
ぽっぽはあたりを見回した。
そら耳?・・・だよね
だって純ちゃんは今、イタリアにいるんだもの・・・
純ちゃん、風邪なおったのかなー
スパゲティ食べ過ぎてお腹こわしてないかなー
(俺のことよりさ、ぽっぽ・・・おまえってさー・・・・)
また、懐かしい声が言った。
(ちっとも演説巧くなんないのな・・・)
純ちゃんのいじわる・・・ぽっぽの目から涙がこぼれ落ちた。

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