ぽっぽは上機嫌だった。
国会も閉会し、選挙戦の前のつかの間の休日。鳩山邸で過ごす一日。
父親の代から付き合いのある地元で無理を言って回してもらったラルフ・ローレン。
少女のように鏡の前で手を広げながら、自然と笑みがこぼれる。
「おそろいだよ、純ちゃん・・・」
やっぱりピンクのシャツより、これからは青だよね
なんとなく僕もさわやかになれた気がするよ。
実は気にしているんだ、は虫類顔・・・
ちくしょー、管のやつ、カリスマ美容師だとか
ストラップのデザインだとか
きわもの企画は全部僕に押しつけやがってー

すっかり自分の世界に浸り幸せの絶頂にいたぽっぽだが、
5分後、安藤優子の独占インタビューを見て
天国から地獄へと突き落とされることになる。

安藤優子は幸せに浸っていた。私の目の前にあの方がいる。
グラスを片手にオペラを口ずさんでいる。優しくて柔らかくて囁くような声だ。
(貴方も黒のスーツ、今日は黒のドレスを選んで正解だったわ。ノースリーブにした
気持ち・・・わかって欲しい。総理、今日はなぜかさすがの私も”女”です)
そう考えながら、うっとりとした瞳で純一郎を見つめる優子であった。
「ブッシュさんやブレアさんとどのような事を話されたんですか?」
「人に言えないような話だよ。秘密。公には出ない話の方が面白い。」
「えっ?もしや殿方にしかわからないようなお話ですか?」
「ふふふ。そんな事はないよ・・・」

(ああ、神様・・・この幸せな時が永遠に続いて欲しい)そう思う優子だった。

その時、東京ではテレビを見ながら怒りに震えている女性が二人いた。
「ちっ!何よ優子!許さないわよ」心に誓う真紀子とチカゲであった。

そして同時刻、もう一人テレビの前で青ざめている人間がいた。
テレビを見つめるポッポのどんぐりのような大きな瞳からはこらえきれずに
水滴が溢れ落ちた。

そして・・・
彼は涙をいっぱいにたたえた大きな目を側近に向けた。
「ねぇ、あの黒いノースリーブドレス、どこのブランド?」

ぽっぽはまた泣いていた。
前日の安藤キャスターに続き、今日は日本人留学生が純一郎に花を渡している。
「僕の純ちゃんにぃ・・・」
会えない寂しさが彼の心を浸食し、
思わず口からは自分自身がどきっとするほどの本音が漏れた。
「花一輪だなんて、帰ってきたら僕は100本のバラの花束を・・・」
そんなこと、できるはずもないのに。

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