トントン・・・純一郎は戸惑いながらもドアを開けた。
「総理!総理!そうりーーーー!あっ、プライベートで総理は変よね。うふ。
じゅん・いち・ろう・さーーん!おまたせ〜〜。」
「辻元。。。」
そこには予想に反してシックな黒いノースリーブのワンピースを着た辻元がいた。
(辻元って・・こんな服着たら結構美人だな・・・)と純一郎は思いながら、
「やあ、どうぞ。」と彼女を部屋に招きいれた。
「いややわ〜〜純一郎さんったら、目を丸くして。私どこかへん?
この服?いつもはあんな派手な服着てるけどあれはあくまで目立つ為やねんよ。
ほんとはこんなシックな服の方が好きやねん!どう?似合う?」
「あ・・ああ。似合ってるぞ、辻元。しかし、よくここまで来れたな。」
「そんなん、ちょろいちょろい。」
辻元の明るさは確かに今の純一郎には救いになる。気持ちが和らぐ。
「ワインでも飲むか?」「うん!ちょうだい。」
ワイングラスを渡す純一郎。二人の視線が絡み合う。一瞬の沈黙。
ふいに瞳を閉じて唇を突き出す辻元。「総理・・・いいよ、何でもあげるう」
「つじもと・・・」
純一郎の手が辻元の肩に伸びた。引き寄せて、唇を重ねようとした・・・その時
突然、あの丸い顔が浮かんだ。(なぜ・・)
純一郎の唇は辻元の唇から行き先を変え、耳元近くの頬に落ち着いた。
「なんで?私、子供ちゃうよ〜〜。もう大人の女なんよ〜〜。キス・・・・
口にしてよ〜〜!」
彼女はここで諦めてたまるかとばかりに純一郎の首に 両手を回し抱きついてきた。
「お・・・・落ち着けよ。やっぱりダメだ。俺達は敵だから・・・・。すまない」
「折角来たのにい〜〜もう、総理の馬鹿!」
辻元は今にも泣き出しそうな顔で部屋から立ち去った。
「ごめんな。」
純一郎は彼女の背中にあやまりながら、もう一度あの顔を思い出していた。
(なぜなんだろう)

キス・・・か。
暫くしてないな。
純一郎は呟いた。
こんなことを考えるなんて・・・・酔っているのか?
違う・・・
酔ってなんか・・・・いるものか。
俺だって人間だ。
そうさ、サイボーグじゃないぜ。
それに・・・男だ。
女を抱きたくなることだってあるさ。
だが今は・・・・

構造改革なくして景気回復なし。

幾度となく繰り返してきた、そのフレーズを唱えてみる。
鬱だ・・・
だめだ、今日は疲れすぎている・・・・


「なんやねん〜なんやねん〜総理のあほー」
清美は心の中で叫びながら官邸を後にする。
今日を泊まりのつもりでいたので車は返してしまった・・・・
こんな遅くてはタクシーも捕まらないだろう。
仕方がなくトボトボと家までの道のりを歩く。
「なんなん?呼んどいて敵だから抱かれへんって?」
女としてこれほどプライドを傷付けられることはない。
「総理はあんなんやから奥さんにあんなこといわれんねん!」
清美は大きく首を振る。
「総理なんかしらへん!どうせ恋愛もろくにしてないからHも下手にきまってる」
息を深く吸い
「総理なんてきらいやーー総理のボケー」
と叫んだ。
その瞬間清見の頬を涙が伝った。

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