ぽっぽは、もう何がなんだかわからなくなっていた。
「裏切ったのは純ちゃんだ」
その思いだけがぽっぽを突き動かしていた。
自民党総裁選後、純一郎は自民党を出てぽっぽと新党を結成する約束になっていた。
彼と新しい家庭・・じゃない党を築いてのの蜜月の日々、
ぽっぽは指折り数えてその日を待っていた。
しかし結果は予備選純一郎圧勝。
「・・・すまないな、俺は自民党を出られない」彼は言った。
「どうして、どうしてだよ!」ぽっぽはその言葉を受け入れられなかった。
「自民党は捨てられても、俺を支持してくれた
名もない一般党員たちは捨てられない」彼は苦しそうだった。
けれど涙でいっぱいのぽっぽの目に、世界はゆがんでしまっていて
最愛の彼の表情は見えなかった。ただ言葉だけが聞こえた。
「わがままだとは思うけど、今でも俺はぽっぽと一緒にやりたい・・・」
「僕に自民に帰れと?」勝手すぎる、それはぽっぽのプライドが許さなかった。
純一郎の言葉は、ぽっぽにとって裏切りでしかなかった。
「裏切り者! 純ちゃんは僕を裏切ったんだね!」
ぽっぽはそのまま部屋を飛び出して、
それ以来純一郎とは2人っきりで会っていない。
ぽっぽは、もう何がなんだかわからなくなっていた。
心を動かすのは純一郎への憎しみか
自分から彼をうばいとった国民への嫉妬か。
・・・ぽっぽは、もう何がなんだかわからなくなっていた。
純一郎とて、予備選圧勝には困惑していた。
下部組織や支援団体を通じて、橋本派が物凄い圧力を
かけていることは知っていた。
それに屈して橋本に入れてしまうような自民党員なら、
むしろ未練なく吹っ切れただろう。
自分の危機感を共有していないような、そんな党員なら。
・・・だが、現実は違った。
地滑り的勝利とさえ言える、圧勝。
そこには、永田町の異端児と呼ばれていた自分でも、予想しきれなかった
ほどの強い危機感が感じられた。
純一郎は、遊説先に押しかけてきた群衆を思い出していた。
彼らを、裏切ることは出来ない。
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