「・・・・・!」純一郎の姉信子は、思わずその白いYシャツを抱きしめた。
脱ぎ捨てられたそれは冷たく、弟の体温はもう宿ってはいない。
「だから・・・だから私は反対したのに・・・!」
3度目の総裁選。
出馬を巡って、信子は純一郎と激しい口論になった。
「橋本さんを差し置いて、今あなたが総理になれるわけがない。
でももし・・・もし総理になったらなったで・・・・・どういう状況が待ち受けて
いるかを考えたら・・・・」
「あなたはきっと・・・死んでしまうわ!」信子はそう言った。
信子には現実がはっきりと見えていた。
そしてそれ以上に、弟を深く強く愛していた。
だから彼女は恐れた。
それでも純一郎は立つ、と言った。
殉死もいとわない覚悟だ、と言った。
ならば・・・・
私はこの弟を守る。
何に変えても守ってみせる。
信子は固く決心をしたのだった。
だが・・・・
今まさに信子の悪い予感は、現実を着実に手繰り寄せてはいないか?
(私が男に生まれていれば良かった・・・・)
信子は純一郎のYシャツをきつく抱いたまま、声を殺して泣いた。
福田官房長官は苦悩していた。
「前の総理は殺しても死なない人だった、
私は・・・総理が人間であることを忘れてしまっていたのだろうか」
先ほどODA削減をしれっとぶちあげた塩爺は、孫を気遣う老人のようにオロオロしていた。
「なんちゅうこっちゃ・・・純一郎くんは今の日本に必要な人や・・・
まわりの人間はなにしとるんや・・・」
中谷防衛庁長官は額に青筋を立てて叫んだ。
「なんたることだッ。総理に自衛官愛飲の健康ドリンクをお届けしろッ」
竹中平蔵モナーは相変わらず笑っているかのようだった。
「どうしましょうねぇ、こまりましたねぇ」
石原ノブテルは壁に拳を打ち付けた。
「ちきしょう、今総理を支えられなければ、親父に笑われちまう」
ティカゲはいそいそと女医のコスチュームに着替え始めた。
真紀子はチェコでのんびりお茶をしていた。
[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?!
自宅で仕事がしたい人必見!
]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]
FC2 | ![]() ![]() |
![]() |
|