今日の党首討論で、ぽっぽと純一郎は隣同士だった。
自民党の総裁と野党第一党の党首を中央にして、他の政党の党首を脇に並べる。
客観的に見てこれ自体は珍しくもないが、ぽっぽには嬉しかった。
『純ちゃんと隣同士だ・・・』
しかも人前で堂々と、何時間も。今までこういう機会はなかった。
これだけで充分、ぽっぽは嬉しかった。


最近、菅がわからない。
ぽっぽは早速間抜けな発言をした巨泉を面白おかしく伝えるテレビを見ながら小さくため息をついた。
党を旗揚げした時は、文字通り友愛で繋がれていると思っていた。
菅の女性問題が明るみに出ても、党首を交代しても、居酒屋・民主で世間の笑いをとっても
菅の「由紀さん」と言う声を聞けば分かり合えていると思っていた。
「どこで間違ったんだろう…」
つけっぱなしのデスクトップパソコンに目をやる。

議員・選挙@2ch掲示板

1: 大橋巨泉に投票しない人の数→ (131) 2:伝説の「□鳩山由紀夫ですが何か質問はありますか?□」スレッド!@初心者板
3: ■★大橋巨泉のおまえこそいらない★■ (319) 4: ★慎太郎知事、暑さに弱音の巨泉を冷笑★ (98)  5: 巨泉出馬で民主党をもっと支持しなくなった人の数→(377)
 6: 民主党、またしても小泉の人気に嫉妬 (233) 7:ゆきおちゃん人形 (12)  ………………

巨泉出馬以来、2ちゃんねる議員板トップ20スレッドに民主批判の声があがらぬ時はない。
小泉批判は当然のことだ、あれだけの支持率を得ていれば口さがない2ちゃんねらーに悪く言われぬほうがおかしい。
だが、民主党叩きは違う。
「失望した」という声の高さは世論をそのまま反映している。
ぽっぽは幾度か名無しさんで書き込みをしようと思ったが、結局一度も出来ずにいた。
純一郎への嘲笑ならば、脊髄反射的に反論を書き込んでしまうのに、
民主党へ失望しているのは、自分も同じだったから。
ウインドウを閉じてテレビに目をやると、京都の殺人的な太陽の下で熱弁する純一郎がいた。
きちんと背広を着こなし、汗だくになりながらも見るものを決して不快にさせないその様子は
巨泉の情けない映像が流れた後だけにより精悍さを増していた。
「小泉内閣は与党だけのための内閣ではない。野党でも内閣に協力してくれるなら遠慮なく協力を求める!」
その「野党」が社会党や自由党を指してはいない事ぐらい、小学生にだってわかるだろう。
純一郎のあからさまなラブコール。
「ごめんね、純ちゃん…」
ぽっぽの右目から一粒、大粒の涙がこぼれた。

「総理、これお読みになりましたか?」
飯島は新聞社の記事をプリントアウトして純一郎に差し出した。
「ん?ああ、読んだよ―――でも、それ、くれる?」
金沢でぽっぽが演説を行った時の写真が小さく載っていた。
「小泉さんがそのために構造改革を本気でやるなら応援してもいいとさえ思っています。」―――鳩山民主党党首(金沢)
あの暑苦しい男を担ぎ上げたせいで民主党の旗色はかつてなく悪いものになっている。
タレント候補はとかく色物扱いで大きく報じられるから
政治にあまり興味のない者はあの男の意見を丸々民主の見解なのだと受け取りかねない。
「ほんとに馬鹿だなぁ、ぽっぽ…」
「は?何かおっしゃいましたか、総理」
「いや、別に」
飯島が出て行った後、純一郎は愛読書に挟んであった一枚の紙を取り出した。
「本当は あなたのもとに 鳩になって飛んでいきたかったのです」
見知ったぽっぽの字。
元は紙飛行機だったこれを純一郎が拾ったのは本当に奇跡と言ってもいいことだった。
「飛んでくれば良いじゃないか、ぽっぽ。」

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