総理大臣執務室。
純一郎は伸晃のあげてきた特殊法人改革の個別法人の
存廃論に関する書類に目を走らせている。
二人の間にはぴりぴりとした緊張感が漂っている。
書類に目を走らせる純一郎の眼差しは厳しい。
「まさか・・・・・よな」
書類からは目を上げずに 純一郎が早口で言った。
「は?」聞き取れず、伸晃は聞き返した。
書類に不備があったのだろうか?伸晃はあせった。
「まさか・・・書いてないよな?」
純一郎はあまり口を動かさず、またもや早口に言った。
「すみません。何が書いてないのでしょうか?」
「まゆげ。」純一郎は言った。
「まさか、書いてないよな。まゆげ。」
一瞬にして伸晃の顔は真っ赤になった。
(純一郎さん、何て事を!ひ、ひどい・・・・)
しかし拳を固く握り、泣きたくなる気持ちを抑えた。
純一郎は書類から目を上げ、真剣な眼差しで伸晃を見つめている。
「か、書いてませんっ・・・」小さく吐き捨てた。
純一郎の顔にみるみる安堵の色が広がった。
「だ〜よ〜な〜。だよな、だよな、だ〜よ〜な〜!だからさー、俺は
最初からそういったんだよ、書いてないよってさ。だけどみんながさ・・・」
「み、みんな・・・?」
「そーなんだよ、拓さんが『絶対書いてるぞ』って言うしさ、晋三さんまで
『私も同感です。アレはですね、いわゆるですね、不自然だと思われます。』なんて言うんだよー。
康夫さんは康夫さんで『きわめて怪しいですな。』ニヤリ。だぜー!みんな非情だよなーーー」
伸晃は思った。
みんな非情だ。
だけどそれを直接僕に聞いたあなたって人が・・・
あなたって人が・・・・
一番非じょ・・・
そこまで考えて、それ以上考えるのを止めた。
だって僕はサンドバックだからなのだから・・・
これでいいんだ、これで・・・・

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