チカゲはCM撮影の後、国会内の洗面所にいた。
「国会の女性用トイレ、なんとかしなくちゃ・・・」そう思いながら
ふと鏡を見上げた。「私の女医姿、けっこういけるじゃない。・・そうだ!」
チカゲは自分の思いつきに得意になった。この姿のまま、あの人の所に行こう。
足早に総理執務室に向かった。丁度部屋から出てくる秘書の飯島と出会った。
「総理に急用なの。いいでしょ?飯島さん」「扇大臣、困りますな。次回からは
アポをとってくださいよ。」小さくても一国の主。保守党党首にはさすがの飯島も
逆らえなかった。
「総理・・・・」チカゲは自分でも驚くほどの女っぽい声で純一郎に語りかけた。
「あっ、何かね?大臣。急用でも?」純一郎は驚いた。
「ふふふ・・・いえね、せっかく女医のかっこをしてるから、お疲れの総理の
診察でもしてさしあげようと思って」
「ははは・・・。何だ」チカゲの冗談はいい息抜きになる・・純一郎はいつもの
冷めたような笑みを浮かべた。
「総理、胸を見せて・・・」イスにゆったりと座っている純一郎のワイシャツの
胸元に聴診器を近づけるチカゲ。女優魂で満面の笑顔を作り(これはジョークよ。
ほら、車椅子を押してもらったり、腕を組んだりした時のような)という雰囲気を
作り出してはいるが、その瞳は笑っていなかった。
聴診器が純一郎の胸の触れた。彼の心臓が波打つ音がかすかに聞こえてくる。
「なんだったらワイシャツも脱ごうか?」純一郎は薄い唇の角を少し上げ軽口を叩く。
その瞳は刺すように自分を見ている・・・。吸い込まれそうだ。
チカゲは胸の高鳴りを憶えた。そして、満足感に酔っていた。
「貴方は私のものよ。真紀子なんかには渡さないわ。」

大きな子どものお医者さんごっこは続いていた
やせ細った胸板に聴診器をあて男の鼓動を聞いていた
「総理・・・・」
女はつぶやき上目遣いで挑発した
「鴈次郎はいいのか・・・?」
冷めた瞳で夫の事を言われチカゲは少しムスッとした
「あんな人・・・女のあたくしより玉のある女のほうがいいですって。失礼しちゃう・・・
あたくしあの人に一度も女性としてみて貰った事なんてないのよ!どうせあたくしは後継ぎを産ますだけの機械よ」
チカゲは女優ばりの声で訴えた
「それともあなたも玉のある女のほうがよろしくって?それとも自分勝手の我儘娘のほうがよろしいかしら?」
冗談ぽく耳元にささやいた

カチッ、パシャ。
その時、ドアの向こうでカメラのシャッターが切られる音と
テープレコーダーの音、そして何者かが立ち去る足音がした。
だがそれに気付いた者はいなかった。皆が、己の心の中に渦巻く怪しい思いに翻弄されていたのだ。

homenext

[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析